tikani_nemuru_Mさんへの返信

※2022/4/17 15:00追記※

tikani_nemuru_Mさんの記事内にて、本記事への返信および追記を頂きました。

私が問題視していた「ポジティブリストをネガティブリストに転用すること」について、

同じく「おかしい」というご認識だということです。

記事をお読み頂き、ご返信を頂けたこと、感謝致します。

※追記以上※

 

 

 

tikani-nemuru-m.hatenablog.com

こちらのid:tikani_nemuru_Mさんの記事でコメントに言及頂いているのでブコメに返信を書いたのですが、100字だと詳細を書ききれないので補足です。
言及頂いたコメントはこちら

『国連女性機関が『月曜日のたわわ』全面広告に抗議。「外の世界からの目を意識して」と日本事務所長』へのコメント

ポジティブチェック(当てはまっていれば加点)のための指標として設定していたものを急にネガティブチェック(当てはまっていなければ減点)の指標として使いだすの、不適切だと思います。

2022/04/15 17:39

b.hatena.ne.jp

 

 

前提1:UN Womenはアンステレオタイプアライアンスで定めている「3つのP」の原則について、「ネガティブチェックに用いるものではない」と言っている
言及頂いた記事にも貼られていますが、こちらです。

www.daiwahouse.co.jp

「誤解を招かないように申し上げますと、アンステレオタイプアライアンスは炎上する広告を作らないためのネガティブチェックをしているわけではありません。ポジティブで深みのある広告を検討するための視点として、3つのPを示しているのです。」


前提2:UN Womenは「月曜日のたわわ」の広告への抗議の根拠として、「「3つのP」の原則が守られていないこと」を挙げている

www.huffingtonpost.jp

日経新聞とUN Women 日本事務所などが掲げていた「3つのP」に反する広告を掲載したことも問題視し、同社の新聞広告の掲載基準の見直しを求めた。

今回の日経新聞の広告へは、UN Womenは「3つのP」の原則をネガティブチェックの指標として用いています。


ここまでは単なる事実なので、tikani_nemuru_Mさんにも同意して頂けると思います。
以下は私の意見です。


・「「3つのP」の原則」はネガティブチェックのリストとして使用できるようなものではない

tikani_nemuru_Mさんは「企業の行動に対してネガティブチェックがされている証」として
「アンステレオタイプアライアンスへの入会申込時のリスト」を挙げていますが、
今回UN Womenは上記記事で広告への抗議の根拠として「「3つのP」の原則」に反している」と言っています。
私はここで言われている「「3つのP」の原則の使われ方」について、不適切ではないかという話をしています。
UN Womenは日経新聞に対してあらゆる基準でネガティブチェックをするべきでないとか、そういう話はしていないです。


「多様な人々が含まれているか」「男性と女性の視点を平等に取り上げているか」をネガティブチェックのチェック項目として使うということは、
即ち「男女どちらかだけが写っているような広告は不適切」ということになります。
「多様な人々」と言うからには、同じ人種、同じ年代の男女2人を出演させるだけでは条件を満たしているとは言えないかもしれません。

たとえばこちらは日経新聞電子版の定期購読についての広告ページです。

www.nikkei.com


メインビジュアルには一応男女両方が写っているのですが、二人とも同年代のアジア人の方のようですし、
ページをざっと見まわしてみても白人や黒人の方の写真は使われていないように思います。
日経新聞電子版の広告は、「「3つのP」の原則」に反しているように私には見えます。
(「人格や主体性がある存在として描かれているか」は、
正直私にはどのような描写をすれば「人格や主体性がある存在として描かれている」と見做されるのかよくわからないので、
この広告が満たしているかどうかについては言及しませんが、明確なNGラインが引けないので個人的にはこの項目が一番問題だと思っています)


このように、「「3つのP」の原則」は、「満たしていなければ不適切」として運用すると不適切となってしまう広告があまりにも多すぎます。
制限が大きすぎて、ネガティブチェックのリストとして使用できるような項目ではないと思います。
人物が一人でバーンと写っているからこそ目を引く魅力的な構図というものがあって、
ステレオタイプの撤廃のためにそういった構図を使用することは許可しませんというのはやりすぎであるというのが私の考えです。
たとえ作品の内容ではなく広告に限った基準であってもです。


もしかしたら「「3つのP」の原則をネガティブチェックに使用しないというのは、創設メンバーである日経新聞には適用されない」
という約束がされている可能性もあると思います。両者間で交わされた覚書の内容は公開されていないので。
だとしたら、上記の日経新聞電子版の広告については問題視せず、「月曜日のたわわ」の広告にだけ抗議しているのは何故なのか、というのがわからないです。
日経新聞電子版の広告は男女両方写っているのでまあOKだよ、と言うのであっても、2020年5月(アンステレオタイプアライアンス日本支部の設立)以降の日経新聞に、
「「3つのP」の原則」に反している、たとえば人物が男女どちらか一人だけで写っているような広告がゼロであったとは思えません。
今までの「「3つのP」の原則」に反している広告は許容していたのに、今回の「月曜日のたわわ」の広告に関してだけ原則に沿っていないから「容認できない」とするのは
ちょっと「原則」を恣意的に使いすぎじゃないか、というのが私の意見です。
もしかしたら、UN Womenのメンバーの方々は今まで日経新聞の紙面とか特に目に入れてなかったけど、今回の広告は話題になったから抗議した、ということかもしれませんし、
今後は日経新聞の掲載する「「3つのP」の原則」に反する広告全てにバンバン抗議を入れていくのかもしれませんが…


とかなんとか言っておきながら「今まで日経新聞の紙面とか特に目に入れてなかった」のは私も同じで、今まで日経新聞にどのような広告が掲載されていたのか知りません。
もしかしたら「月曜日のたわわ」の広告が出るまでは、「「3つのP」の原則」に反するような広告は一つも掲載されていなかったのかもしれません。
なのでとりあえず以下のページから、「月曜日のたわわ」の広告が掲載された2022年4月4日の朝刊から、遡って5日分の朝刊のバックナンバーを取り寄せてみることにしました。

zempan.sakura.ne.jp


届いたものを眺めてみて改めて思ったことをまたここに書いてみようかなと思います。せっかくブログも作ったので。